第2章 shopping
「おー!…よく似合ってるよ……なぁ響也…」
「…あぁ……良いね…」
2人の反応を見て
ナナは嬉しそうに微笑んだ
「…マジでスゲーな……チョット…他のも着てみて…」
隆司は興奮して立ち上がると
いそいそとナナをフィッティングの方へ連れて戻った
着替える度に
隆司はナナを手放しで褒め
アレンジを加えたり
小物を加えたりと
色々なアドバイスをした
ナナが何着目かの着替えをしている時
隆司はカウンターの方へ戻ってきた
「…men'sモノあそこまで着こなせるなんて……アノ子…モデルでもやってたのか?」
「……昔の事は何も聞いてないんだ……これからどうしたいとか…話さなきゃな……ウチにずっと閉じ込めとく訳にもいかないし…」
「……そっか……そうだな…」
その時
ナナがフィッティングから出てきた
「…コレもすっげー良いな♪…色も似合ってる……コレで最後だっけ?」
『…ハイ』
隆司は
これまで試着した物を掛けておいたラックを見ながら言った
「……さっきのこのパンツとも合うし……上着はコッチが使える……ウン…いいと思う………帰りはどーする?…そのまま着て行く?」
『……ぇ…』
「…そうだな………ナナ……どう?」
『………ぁ………でも……』
「……?」
ナナは響也の側に行くと
小さい声で言った
『……私……お金…全然持ってないです…』
「…そんなの気にしなくていーよ…元々そのつもりで連れて来たんだし…」
『…でも…』
「……大丈夫だよナナちゃん……コイツ…まーまー金持ちだからさ…」
『……』
「……気に入ったのがあって良かったよ…」
『……ありがとう…』