第2章 shopping
俊太がラックに掛けられていた服を次々に畳んで袋へ詰めていく
ナナは先程からとても嬉しそうに自分の姿を鏡に写していた
「…ウチの服、気に入ってくれた?」
『ハイ!とっても!』
「嬉しいな……ねぇ、ナナちゃん……ウチで働いてみる気、ない?……マンションからもそんなに遠くないし……俺の店なら、響也も安心出来るだろ…?」
『……ぇ…』
「……隆司…?」
「…………実は……俊太が…バンドの方が忙しくなったっつって…今月いっぱいで辞める事になっててさ……ナナちゃんみたいな子が手伝ってくれたら…俺も助かる。……どうかな…?」
響也と顔を見合わせたナナが、笑顔で言った
『ありがとうございます!よろしくお願いします!』
「…隆司…」
「…大丈夫だ…」
「…あぁ…ありがとな…」
隆司は響也に微笑んで頷いた
「ナナちゃん、これからよろしくな」
初出勤の日を2日後と決め
もう一度挨拶をしてから、2人は店を後にした