第4章 友達
あたしは泣いて泣いて泣いて、もう涙が一滴も出なくなるまで泣き続けた。
泣くこともできなかった子供たちの分まで。
そしてすべての涙を使い果たした後、あたしはようやく女海兵に向き合ったのだった。
どこのどなたか知らないけど…ってそれはさっき聞いたんだっけ。
とにかく、よく知らない人に助けてもらっておいてお礼も満足に言えていなかった。
「あの、つる中将、ありがとうございました」
初めて会った人の前で、吐いて子供のようにグズグズに泣き崩れてしまったのは、我に返るとちょっと恥ずかしいものがある。
あたしは中将の顔をうまく見られず、口の中でもごもごとお礼を言った。
そんなあたしの気まずさを知ってか知らずか、お礼の言葉は見事にスルーして、彼女は代わりに一言こう言った。
「つる中将ってのは耳に馴染まないね。周りは私のことをおつると呼ぶよ」
「おつるさん、ですか」
呼び捨てになんて到底できないから、敬称をつけて呼んでみる。うん、こっちの方があたしも言いやすい。
そして、つる中将、もといおつるさんは淡々と状況を話してくれたのだった。
「…まず、ポアロ教会の者たちは我々が責任を持って供養した。身寄りのない子供たちばっかりだったからね…」
またこぼれそうになる涙を、今度は唇を噛みしめてぐっと堪える。言葉は出なかった。
「それから、例の2人だが」
そこで言葉を切って、おつるさんはちらりとこちらを見る。
「奴らは懸賞金50万ベリーの賞金首だ。捕らえたのはあんただから、受け取る権利がある。あとで手続きをするから旅の足しにでもしな」
あたしは目をパチパチさせておつるさんを見つめ返した。
ご、50万ベリー…!?
そんな大金がかかっていたの?あいつらに?
そのことは純粋に驚きだった。だけど。