第3章 白と赤
プルルルルル…プルルルルル…
ガチャ
「こちらポアロ教会捜索班。先程、ターゲット2名を捉えました。…2人とも息はありませんが」
「死んでるってのかい」
「はい。我々が着いた頃にはすでに」
「誰がやった?」
「おそらく…ですが。現場にいた少年がやったものかと。我々がついた時には生き残っていたのは少年と赤子だけでして。放心状態なので一旦保護しようと思っていますが」
「ガキが1人でやったってのかい。懸賞金50万ベリーの海賊を」
「おそらく…状況的にはそうかと。とにかく、少年と赤子は保護します。あと…」
「まだなんかあるのかい」
「教会の者たちですが…生きているものはいませんでした」
「遅かったってことだね」
「すみません…」
「残りのもので教会の庭に墓を作ってやって。私はその少年とやらに話を聞くことにするよ。お前は船に戻ってきな」
「はっ」
ガチャリ
──やれやれ。
厄介な拾いものじゃなきゃいいけどね。
パール島沖に停泊していた海軍船の中で、女海兵はそっとため息を落とした。
第3章 『白と赤』 <END>