第24章 暴走
───ドレスローザ新王宮付近。
「ロビランド!!何してるれすか!急ぐれすよ!!」
「待ってレオ!これ以上近づいてはいけないわ!」
崩れ落ち、今や瓦礫の山となった王宮の端から飛び出そうとする小さな戦士を小声で止める。
「なぜれすか!しろい大人間の様子が変れすよ!」
「分かってるわ!!でも待って!これ以上近づくと確実にドフラミンゴに気づかれる。それだと意味がなくなってしまうわ!」
「れすが...!!」
ひそひそ声でやりとりしながら、注意深く様子を伺う。
レオの心配はもっともだった。先ほどまで狂ったように破壊を繰り返していた彼女は、突然うずくまり、そのまま動かない。
ここからだとあまりよく見えないけど、明らかに様子がおかしい。本当ならすぐにでも駆け寄りたいところだけど…。
ここで安易に動いて見つかってしまっては意味がない。
「あの方なのれすね。私を見つけてくらさったのは」
「ええ」
マンシェリー姫の囁きに、頷きを返す。
あの後───アウラと地下の交易港で別れた後。
レオとともに王宮に向かい、地下に閉じ込められていたマンシェリー姫を発見した。可哀想なくらい涙を流してはいたけれど、彼女は無事だった。
トンタッタ族の助けを借りながら、マンシェリー姫を救い出して...。そして、ほっと一息着いたところだった。とてつもない轟音とともに、王宮が崩れ始めたのは。
間一髪で王宮を出てみると、外の様相は一変していた。地面は抉られ、建物は崩壊し、至るところに焼けこげた跡がある。黒ずんだ地面からは、硝煙が立ち上っていた。
もともと、荒れ果てた状態ではあったけれど、一段とひどい。
そして、そこに立っていたのは、地下にいたはずの銀色の髪のあの子。私がよく知っているはずの...。
何が起きたのか分からないけど、おそらくこの惨状を作ったのは彼女だと直感する。その場に漂う不穏な空気の名残が、さっき地下で彼女の能力を見たときのものと似ていたから。