第24章 暴走
頭を抱えてうずくまるアウラ。
これは以前にもあった。パンクハザードで初めてドフラミンゴの声を聞いた時だ。あの時もこうやって酷い頭痛に苦しみ、アウラはそのまま意識を失った。
…まずい。トリカゴを壊されたのはドフラミンゴにとっても誤算だろうが、奴自身はそこまで重傷を負っていない。
泥と血に塗れ、動かない体を無理矢理引きずり、すぐ側に落ちていた鬼哭に手を伸ばす。膝をつくと熱い塊が喉元に迫り上がってきて、赤黒い液体が地面を汚した。
痛みはもはや感じない。ただ、失われた血液のせいで体がやけに寒かった。急に起き上がったせいでふらつく頭をあげ、数歩先で痛みにうめくアウラの方ににじり寄る。
能力で飛ばせるか。
せめてコイツだけでも。
ROOMを展開しようとしたその時、アウラの前に暗い影が落ちた。
「なんだコイツは!!最高傑作とは誰が言ったんだ!!……とんだ失敗作じゃねェか!!」
狂気に満ちた声でそう叫ぶ男。ドフラミンゴはまるで道端の小石を拾うように、地面に蹲るアウラの首を片手でわし掴んだ。いとも容易く宙に浮く体。
「…っぅ…」
「やめろ…!!」
反射で能力を使おうとした矢先、ドフラミンゴの鋭い糸が肩を抉った。間一髪のところで致命傷は避けたが、後方の瓦礫に体を打ちつけ、息が詰まる。すぐさま起きあがろうとしてむしゃらに力を入れ、また大量の血を吐いた。
「ぐッ...は、っ」
俺の体はどうなったっていい。
アイツを失わずに済むなら、こんな体いつだって捨ててやる。だから。頼むから。
足掻く俺の耳に、無慈悲な声が届く。
「役に立たんなら、もう、いい。…ロー。よく見ておけ。お前のせいでまた、死ぬぞ」