第24章 暴走
アウラはふと空を仰ぎ見た。
上空には、放射線状に伸びた筋があった。ドフラミンゴが作った巨大な檻───トリカゴだ。
伸ばした小さな手がおもむろに何かを掴むように、握り込まれる。
同時に、ぐにゃり、と空気が歪んだ。いや、正確に言うと、何かに掴まれたように、トリカゴが不自然にねじ曲げられた。
「馬鹿な...!!」
ビリビリと空気が震える。
地面が抉れるほどの凄まじい力の拮抗。
やがて、見えない力に極限まで捩じられ、耐えかねた檻はひと思いに弾け飛んだ。反動で大地が激しく揺れる。
あまりにも圧倒的だった。見上げると空を覆うものはなく、あれほどまでに人々を苦しめたトリカゴは綺麗に跡形もなく消え去っていた。
同時に、ひっきりなしにふり注いでいた雷もぴたりと止まる。どす黒い雲だけが取り残されたようにドレスローザ上空にとどまっていた。
ふと、地上の不穏な空気も薄くなっていることに気づく。視界の端に捉えていた華奢な背中は、空を仰ぎ見たまま不自然に動きを止めていた。そして一拍置いて。
「……っ」
その姿が不意に揺らぎ、その場にくずおれる。
「っ....ったい.......!!」