第19章 ドンキホーテ・ロシナンテ
──おそらく、だが。
海楼石を外せば、アウラは簡単に島から出ることが出来るんじゃねぇかと思う。封じたということは、そういう類の能力なんだろう。考えられるのは、空間操作系のパラミシアか…もしくはロギアか?
だが、それ以上のことは幾ら考えたところで想像の域を出なかった。そもそも情報が足りない。
そしてその答えは、ノースブルーで探しても一生見つからない。出会って3年と少しかかって、漸く俺はそれを認めた。
本当はかなり前から気付いてはいたが、それなりの理由を付けてこの海から出ることをずるずると先延ばしにしていた。まあつまり、俺もそれくらいにはここを離れ難いと感じていたわけだ。…仲間には一切話してねぇが。
だが、先送りにするのもそろそろ限界だった。
ドフラミンゴとコラさんの妹であるコイツがこんな辺境の島でひっそりと暮らしている理由を知ることも、コラさんの本懐を遂げることも、ここでは叶わない。
向かう先はやはり、──偉大なる航路(グランドライン)。ノースブルーとは桁違いの実力者が集まる海。
そして、そこへはアウラは連れて行けない。