第12章 アウトサイダー
麦わらの一味は今、別行動をしているらしい。
ここにいない、ゾロ、サンジ、ブルックの3人は、この島で出会った謎の侍の体を探してるみたい。なんでも、その侍は今、頭部と下半身しかないんだって。どんな状況よ。
バラバラになった体を想像して、あたしはなにやら引っかかるもの…それも、かなり嫌な予感がしたけど、そっと気づかなかったふりをした。
そして、今ここにいるルフィ含む6人は、子供たち救出チームとして残ったらしい。
こんな小さな子供たちに覚醒剤を与えて良いわけないし、それを知っていて放置するなんてできるはずもない。それは麦わらの一味も同意見のようで。
あたしだって、子供たちをこんな目に合わせてるその"マスター"とかいうやつ、会って一言物申さないと気がおさまりそうになかった。
子供に手を出すなんて、あたしの最も嫌いなタイプの人間だ。
だから、ルフィたちと一緒に連れてって欲しいと思ったの。と言うか、今さら一人にされても困る。
相変わらずローはどこで何してるかわかんないし。
「どうするの?ルフィ。お嬢さん、こんなところに置き去りにしたら凍え死んじゃいそうだけど…」
「へ、平然と怖いこと言わないでよロビン。ガタガタ震えてるのは事実だけどさ」
そう、そうなのよ。本当に、あたし、今どうしようもないくらい寒いのよ実は。
だって麦わらたちはフッカフカの服着てるけど、あたしずっと脚むき出しの状態なんだから!こんなところにいたら凍死まではいかなくても凍傷になりそう。
「え、お前ゆきんこなのに寒いのか!?」
「当たり前だ!!」
ルフィがあまりにも素っ頓狂なこと言うもんだから思わず怒鳴ってしまう。
だけど本当に、さっきから何言ってるんだコイツは。
ゆきんこって一体なんなの!!
それはあんたが勝手に言ってるだけで、あたしは普通の人間なんだから!寒いに決まってるでしょう!
そんなこと言ってる暇があったらそのフカフカそうな上着を譲って欲しい。切実に。