第8章 別れ
それから更に
数日が経ったある日
サトルはマネージャーのマキに
話があると言われた
「……サトル……この女の子…知ってる?」
見せられた写真には
制服姿で校門から出てくるリサが写っていた
リサがサトルのマンションから出て来る所や
" SAISON " の店内で隠し撮りされたものもあった
「……」
「…彼女…少し前までアナタのお友達が経営してる " SAISON " というカフェでアルバイトをしていたそうなんだけど……そこでは真山サトルの従姉妹という事になっていたらしいの。………アナタのマンションにも出入りしてたみたいだから……どういう関係なのかって…週刊誌の記者から問い合わせが来てね…」
「……」
「………私が把握している限りでは……アナタに高校生の従姉妹なんていなかったわよね…」
「……」
「……サトル………分かってると思うけど…この子は未成年よ。……アナタの返事次第ではとんでもない事になるわ…」
サトルはマキに全てを話した
彼女は従姉妹ではなく
少なくとも自分の認識の上では恋人関係だったという事
家出をした彼女と
数ヶ月間、自分のマンションで一緒に暮らしていた事
一緒に暮らすうちに
自分の中で彼女は妹のような存在に変わっていったという事
そして
10日程前に彼女がマンションを突然出て行った事
その後すぐに彼女はバイトを辞めてしまい
今は一切の連絡が取れなくなってしまっている事…
長い長い沈黙の後
マキは言った
「………それじゃ……今現在は…彼女とは一緒に住んでいないし……連絡も取っていないということね…」
「………まぁ……今は…ね…」
「……分かったわ………この件は社長と相談して対応する…」
「……」
「……もし………今後この子から連絡が来る事があったとしても……二度と会わないで頂戴…」
「…ぇ……それは…」
サトルが返事をする前に
マキは部屋を出て行ってしまった