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蝶【R18】

第8章 別れ




サトル side


その夜遅く
マネージャーから電話があった

社長も交えた事務所の上層部との話し合いの結果
彼女は従姉妹ではなく
遠い親戚関係で通す事に決まったという連絡だった


僕のマンションに出入りしていたのは
その親戚が同じマンションに住んでいたからで
現在はその親戚家族が遠くへ引っ越しをしたため
彼女もバイトを辞めざるを得なかったという事にすると

   
「……向こうがこれ以上深く追求するようなら……社長も各方面から圧力をかけるつもりだと言っていたわ…」

「……」

「………サトル………アナタにしてはずいぶん軽率だったわね。………でも…決定的な写真を撮られる前に彼女と別れられていた事で…ギリギリ救われたわ。………もし……今もアナタ達の関係がそのまま続いていたらと思うと…………あぁ……考えたくもない…」

「……」



リサから連絡が来ても
絶対に会わないようにと再度念を押され
マキとの電話は切れた






リサが突然出て行った理由

それは
紛れもなく僕のせいだった


彼女を守ると誓ったのに

実際には
彼女が僕を守ってくれていたのだ



わざと
突き放すような言葉を投げつけたのは
未練を残さないためだろう


リサは
僕の為に
全てを捨てた



小さなスーツケースをひとつだけ持って出て行った
あの後ろ姿が忘れられなかった









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