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蝶【R18】

第8章 別れ



サトル side 続き



リサがマンションを出て行ってから
数日が過ぎた


何度掛けても電話は繋がらず
彼女からの連絡も一切無かった


心配になった僕は
人を雇って
リサの足取りを調査した


彼女は自宅に戻っている様子がなく
学校にも行っていないようだった


突然バイトも辞めてしまった事を聞いた僕は
マネージャーに無理を言って時間を作り
" SAISON " を訪ねた

ドアを開け店に入ると
シンヤが声を掛けた


「…おー…サトル…お疲れ…」


その声を聞いて
店の奥からタクミが出てきた


タクミはツカツカと僕に近寄ると
突然殴りかかってきた


「……!…」

「タクミ!オイ!やめろ!」


シンヤや他のスタッフ達に抑えられ
僕から引き剥がされると
タクミはエプロンを外してカウンターに置いた


「…俺……今日でバイト辞めます。………お世話になりました…」


タクミはそう言ってシンヤに頭を下げると
店を飛び出して行った

僕はタクミの後を追いかけた


「タクミ!待ってくれ!」


大通りに出る信号の手前で腕を掴むと
タクミは立ち止まり
乱暴に僕の手を振り払った


「……」

「……俺………謝りませんよ…」

「……タクミ…………教えてくれ……何があった…」

「………フッ……何って……そんなのアンタが一番分かってる事だろ!散々騙してきたくせに!他人事みたいに言うな!」


タクミは
殺気立った目で僕を睨みつけた


「……アンタ…最低だ…」



大通りの向こうに走り去る背中を
僕は茫然と見つめていた






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