第1章 出会い
急いで追いかけたはずなのに
階段を上がりきった時にはもう女は居なかった
辺りを見回すと
向かいの公園のベンチに寝そべっている女の姿が見えた
女の周りには
3人の男達がベンチを囲んでいた
「ねーねー…いーじゃん…」
「俺らと一緒に楽しい事しよーよ」
『…んー…』
「…ホラ…立って…」
女の腕を取ろうとしている所にサトルが近づくと
男達は振り返った
「…何アンタ?…何か用?」
「……」
「…アレ?……なぁ…オイ…」
「……ヤベ……行こうぜ…」
【真山サトル】に気付いた男達は
そそくさと去って行った
「……」
サトルはベンチの側へ行くと
女に声を掛けた
「……そんな所で寝てるとアブナイよ…」
『……んー…起こしてぇ…』
伸ばされた腕を取り
女の身体を起こすと
サトルは隣に座った
女はサトルの肩にもたれかかり
顔を近づける
『……飲み過ぎちゃって…歩けないの………ねぇ…オニーサン………どっかで休ませて…』
「……どっか…って…?」
『……んー……ホテル…行こ…?』
女は甘えた声でそう言うと
サトルに腕を絡ませた