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蝶【R18】

第7章 不安



リサ side 続き


私が何も言わずにいると
黒川というその男は更に続けた


「…アナタは彼の従姉妹だと聞いたのですが……その話が…どうも嘘なのではないかという噂がありましてね…」

『……』

「…彼女は間違いなくサトルさんの従姉妹ですよ……ウチのオーナーも…他のスタッフも皆知ってます…」

「…でも……本当にそうなんでしょうか?」


黒川は私を真っ直ぐに見据えたまま
静かな声で言った


「……真山さんの親戚関係に"杉本"という名字の人間が見当たらないんですよ……どういう事なのか教えて頂けませんかね……"杉本" リサさん…」

『……』

「………ダンマリでも別に構いませんよ……真山さんが親戚でもない女子高生と同棲してるだなんてことが…万が一事実だとしたら………それこそ…口が裂けても言えないでしょうしね…」


黒川の言葉に
タクミは激しく反応した


「…なっ……そんな事ある訳ないだろ!…アンタ何なんだよ!…リサ…行くぞ…」


タクミは何も言わず
私の手を引いて早足で歩いた

私はされるがまま彼について行った




" あの男はとうとう 私とサトルの秘密に気付いてしまった "


" 公になるのも もう時間の問題だ "


" その前に 早くあの部屋から出て行かなくては "


" 誰にも見つからないように姿を消そう…そうすれば私の存在を証明しようが無くなるのだから "



タクミに手を引かれながら
頭の中ではそんな事をグルグルと考えていた






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