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蝶【R18】

第6章 新しい生活




そんな風に始まった2人の生活は
全てが手探りだった


サトルの仕事は
昼も夜も無い不規則なものだった

地方や海外へ行くために
何日も帰らない事も度々あった


リサはそんな中でも
約束をキチンと守り
学校には毎日通っていた


週3回通いで来る家政婦のトミさんとも
何となく
上手くやっているようだった

放課後には
サトルの友人であるシンヤが経営するカフェ
" SAISON " でアルバイトも始めた

リサが
高校生らしい日常を過ごせるようになった事を
サトルは心から喜んでいた


他人から見たら
ままごとのような生活なのかも知れない

けれど
今はこれで十分だった


夜中にマンションに帰り
玄関にリサの靴が並んでいるのを見ると
サトルはそれだけで幸せな気分になった

シャワーを浴び
ベッドに潜り込む


『……ん…………おかえりなさい…』


暗闇の中
リサの手が伸びてくると
サトルは腕の中に引き寄せ
そっと抱きしめる

お互いの体温と鼓動を感じながら
深い眠りに落ちていく

2人でいる時はいつも
こんな風にして眠っていた







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