第6章 新しい生活
ある日のpm7:30
撮影機材の故障で
急にスケジュールが2時間程空いたサトルは
たまたま現場の近くだった " SAISON " に顔を出してみた
「…ぅぃーす…シンヤ…」
「おーサトル…久しぶり!」
『サトル!』
「…お疲れリサ…」
" SAISON "でアルバイトをさせるにあたり
シンヤや店のスタッフ達には
リサの事を従姉妹だと言ってあった
「今日は?ゆっくりできるのか?」
「……本当は朝まで撮影だったんだけど…少しだけ時間が空いたんだ。……それでコーヒー飲みに来た…」
「…そっか……相変わらず忙しいんだな。……時間取れたらまたメシでも行こーぜ…」
「あぁ…」
サトルの元に
リサがコーヒーを運んできた
『お待たせしました♪』
「ありがと」
カウンター越しにシンヤと話しながら
サトルはリサを見ていた
リサが
客が帰ったばかりのテーブルを片付けていると
この店のスタッフのタクミが来た
「……リサ………俺…運ぶよ…」
『…ぁ……ありがとう…』
タクミは以前から " SAISON " でバイトしている
リサと同じ歳の高校生だった
「……」
「……タクミの奴…リサちゃんに惚れちまったんだと………まだ…本人には何も言えてないみてーだけどな…」
「……ふぅん…」
タクミは洗い物をしているリサに
笑顔で何か話し掛けている
「……なんか……いーよな………青春て感じで…」
「……んー…」
「…タクミが良い奴なのはオマエもよく知ってる訳だし………かわいい従姉妹がもし付き合う事になったとしても…別に心配無いだろ?」
「……ぁ……あぁ………そうだな…」
「…ま、陰ながら応援してやろーぜ…」
「……あぁ…」