第3章 1ヶ月後※
髪を優しく撫でられ
リサが放心したように目を開くと
微笑むサトルがいた
ベッドの上でなら
この人と対等になれるかも知れないだなんて
考えるだけ無駄だったのだと
リサは身を持って思い知った
「……可愛かったよ…」
『………イジワル…』
どこまでも余裕な表情が悔しくて
涙目で抗議すると
サトルは汗ばんだリサの額にキスした
「……ねぇ……リサの中に入りたい…」
唇を塞ぎ
ゆっくりと舌を絡める
『…んっ…』
抵抗する間もなく
サトルは泉に深く潜った
『…ん……んっ…』
溶けるようなキスの途中で
リサは首を振った
そして
顔を隠すように
サトルの首元に抱き付いた
「………リサ………どうして……泣くの…?」
『……ゴメンなさい…』
サトルは
繋いでいた身体を一旦離した
「……」
『………アナタのキスは…優し過ぎる……そんな風に抱かないで…』
「…リサ…」
『……優しくて……苦しくなる………こんなキス…初めてなの…』
リサの震える声に
サトルは心臓を掴まれたような感覚を覚えた
「……リサ………顔…見せて…」
『……』
リサは腕の力を緩めた
サトルはリサの頬に手を当てると
こめかみに光る涙にそっとキスした
「……リサの事……まだよく知らないけど………僕は…君が好きだよ…」
『……』
「……好きな人とキスすると……切なくて…胸が苦しくなるんだ………だから……リサとキスする時は…僕も苦しいよ…」
『……本…当…?』
サトルは微笑んで頷いた
「…リサは……僕のこと…好き?」
『……ぇ…』
「……?…」
『……私………サトルのこと…好きになってもいいの?』