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終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第7章 純潔を失った天使は



【図書室】



今日は放課後になってもいつもの時間にアヤトくんは迎えに来なかった。



学校にいる間は必ず一回は会ってたのに今日は珍しく一度もアヤトくんに会わなかった。久しぶりにちょっと解放された気分だ。



「たまには読書でもしてから帰ろう」



設備の整った図書室へとやって来た。本も沢山並べられており、本当に図書館に来たみたいで少しワクワクする。



「なんの本読もうかな?」



ガタッ



「ん?今何か物音が…」



奥に誰かいるの?



「……………」



そろっと本棚から少し顔を出せば、そこには見慣れた人物がいた。



「(え…あの後ろ姿、アヤトくん!?)」



「ほら、もっとこっち来いよ…」



「(一緒にいるの…確かアヤトくんのクラスメイトの…アイドル業が忙しくて、なかなか学校に顔出せない子だ。)」



前にアヤトくんのクラスに行った時に見かけたことがあった。



「(って言うか、そんな芸能人とアヤトくんが、こんなところで何を…まさか逢い引き!?)」



「ククッ、オレ様に血啜ってもらえるなんて、オマエ、幸せ者だぜ?」



「っ………!」



私は息を呑んだ。



「……っ……」



「(アヤトくんが…他の子から吸血してるのって、初めて見た…かも。)」



ズキッ



「(あぁ…またこれだ。凄く悲しくて苦しい…胸が痛い。ドロドロとした黒い感情…嫉妬なんてしたくないのに。)」



アヤトくんは…血を吸わせてくれるなら誰でもいいの?



「……っ……」



私、おかしい……



いつも、あんなに吸血されるの嫌がってたくせに……



他の子から吸血してほしくないって思ってる…なんて



「(やだ…アヤトくん───。)」



その場にしゃがみ込んで、耳を塞ぐ。



「ククッ、イイ顔」



「………え!?」



気付けば、同じように目の前にしゃがみ込み、私の顔を覗き込んで笑っているアヤトくんがいた。



「あ、アヤトくん!?」



いつの間にこんな近くに…!



というか、あの子は…?



「あ………」



まるで放り出されたように床に倒れている女の子がいた。



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