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終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第4章 神の御遣い



【教会内】


「…どうか呪いに負けず、運命の相手と出逢えますように。必ず永遠の愛を手に入れて、好きな人と幸せになれますように」



ユイちゃんから借りたロザリオを手に、教会へとやって来た。マリア像の前でロザリオを持ちながら真剣に祈りを捧げる。



「(私を呪った奴も見つけ出す。今思うと、夢の中で会話が成立してるのも不思議だし、そいつは最初から私の正体を知っていた。色々聞きたいこともある。)」



バンッ



「…………?」



「オマエ…こんなところにいやがったのか」



「アヤトくん…」



「チッ。チチナシみたいなことしてんじゃねえよ!」



「(確かヴァンパイアって十字架が苦手だって聞いたけど…きっとアヤトくん達には利かない。)」



「なんだよ?ナニ驚いた顔してんだよ?」



「(まさかここまでアヤトくんに追いかけられるハメになるとは…)」



私は手にしていたロザリオを隠す。



「(苦手じゃなくても気分悪かったりするんだろうか?)」



「…オイ、今ナニ隠しやがった?」



「え?別に何も隠してないよ」



「ウソつけ。見せろよ!」



「あ、ちょっと!」



アヤトくんは私からロザリオを奪い取る。



「ん?これか?」



「(もう……)」



「…げぇっ!なんだコレ!十字架じゃねぇか!しかもこの十字架、チチナシのだろ!」



「ユイちゃんから借りたの」



「こんなもん借りんじゃねぇよ!」



「わ!急に投げないで!」



アヤトくんが投げた十字架を慌ててキャッチする。



「ふんっ、別に十字架なんて怖くねぇけどな…胸クソ悪ぃ。どう責任取ってくれんだ?」



「責任って…アヤトくんが勝手に…」



「うるせぇ!口答えすんじゃねぇ!」



「(うぅ…怖い!)」



「そーだ。イイこと思いついた」



「え…?いいこと?」



「そ。イイこと」



私に歩み寄るとアヤトくんは私にキスをした。



「んっ……!?」



「……っ……ククッ」



「(こんな…教会で…神聖な場所なのに…!)」



「カミサマの見てる前でキスされて、抵抗できなくて、気持ちよさそーな顔してるオマエ、めちゃくちゃイイな」



「や、やめ……っ……んっ」



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