第22章 唯一望んだもの(❤︎)
「んっふ!?ふぁ…あ…んぅ…んん…っ」
「はぁ……ん……ん……チュッ。」
「(キス…甘い味がする。魔族と繋がったことで私の中の天使の血は穢されてしまったけど…それでもライトくんと離れる気はない。だって…愛してしまったんだもの。)」
彼の与えてくれる愛は少し歪で、苦くて甘い。私の想像していた愛のカタチじゃなかったけれど、それでもライトくんが向ける愛は永遠であると信じている。
「んぅ……は……あ、ンン……」
キスに集中していると、あれだけ苦しかった胸の痛みが和らいでいく。
「はぁ…痛みはおさまった?」
「うん…ありがとう、ライトくん」
「君の苦しむ顔は魅力的で興奮する材料だけど、あそこまで泣かれるとちょっとね」
「(今、興奮する材料って言った?)」
「それで…その呪いをかけた人物に心当たりは?どうしてお花ちゃんが選ばれたの?」
「…分からない。その人は試練だって言ってた。私と…私が選んだ特別な者に与えられた。だから二人で協力して呪いを解けって。」
「…永遠の愛が呪いを解く鍵か。お花ちゃん、厄介な奴に目を付けられちゃったんだねぇ」
「笑い事じゃないよ…」
「でも君はもうその特別な者に出逢ってるでしょ」
「ライトくんのこと…?」
「ボク以外に誰がいるのさ。もしボク以外の誰かが君の特別な者なら…そいつをこの世から抹殺してるよ❤︎」
「笑顔で恐ろしいこと言わないで」
きっと冗談ではないことは分かっていた。私はライトくんの発言に引きながらも、話の続きを促す。
「でもね、その人…私の幸せを願う者でもあるって言ってたんだよね」
「死に至らしめる呪いを掛けた本人が、君の幸せを願うなんておかしな話だね。でもそっか、呪いを解くために下界に来たんだね、君は。」
ライトくんの言葉に小さく頷いた。
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