第22章 唯一望んだもの(❤︎)
「それに、ボクにどんなことされても耐えられるって神様に誓ったでしょ?」
「!」
「そうだよね?ボクの可愛いお花ちゃん……っ……」
耳元で囁かれ、身体をぞくっとさせる。
「ちょっと!いい加減にしなさい、貴方たち!!」
「っ!れ、レイジさん…!!」
「全く…一体この席をなんだと思っているのですか」
「…見ていて不愉快です。ねえ、テディもそう思うよね?」
「あーあ、こんなヘンタイが当主とか…マジで有り得ねぇぜ」
「チッ…よく恥ずかしげもなくそんなことできるよな」
そこにはアヤトくん達が集まっていた。ユイちゃんはというと、人混みに酔ったのか、椅子に座って休んでいる。
「はぁ……。今いいところなんだから邪魔しないでくれるかなぁ」
「この宴の目的は新当主である貴方とその花嫁をヴァンパイアたちに知らしめることです。逆巻家の新当主として威厳のある立ち振る舞いをするべき席で…貴方たちときたら…まったく!!」
レイジさんの雷が落ち、ぴゃっと身を縮こませる。私だって嫌だって言ったのに…それでもライトくんはやめてくれなかったのだ。
「貴女も貴女です。嫌なら本気で突き飛ばすなり平手打ちをするなりして、ライトから離れてしまえばいいのでは?」
「さ、流石にそこまでは…」
「やだなー。お花ちゃんの『これ』は照れ隠しだよ。口では嫌だって拒絶してるけど、本当は嬉しいのにどういう反応したらいいのか分からなくて誤魔化しちゃうんだよね。ホント素直じゃなくて困るよ。んふっ」
「何言ってるの!?」
「何って…お花ちゃんが照れ屋さんって話でしょ?」
「みんなの前でそういうこと言わないで!」
「おい…そこのヘンタイども」
「あー、もう。今度はなんだって言うのさ」
「お前らの楽しみなんてどうだっていい。だがな…新当主のお前が締めないとこのくだらない晩餐会がいつまで経っても終わらない。わかったら、早いとこ終わらせろ。俺は眠い」
「んふっ…とかなんとか言っちゃってさあ」
「…何が言いたい」
「本当はみんな、この子の血が吸いたくて耐えられないだけなんじゃないの?」
「な……!」
「はあっ!?」
「ライトくん、何言って…」
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