• テキストサイズ

終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第22章 唯一望んだもの(‪‪❤︎‬)



確かにここ最近、ライトくん宛てに贈答品の数々が屋敷に届き、廊下にまでその荷物の山が溢れんばかりに置かれている。



「(私とユイちゃんの部屋は無事だけど…ドアが開かなくなるのは可哀想…)」



「はあ…揃いも揃ってそんなこと言うためにボクのこと捜してたの?ご苦労様。」



「ああ!?そんなことだぁ!?ふざけんな!こっちはほとほと迷惑してんだよ!」



「どこに行くにもいちいち邪魔なんですよ…。いい加減にしてください…!」



「だって、あんなにたくさんどうしろって言うのさ?部屋には入りきらないし、もう廊下ぐらいしか置くところがないでしょ?」



「そんなのお前宛てなんだからお前の持ちモンだろうが!自分でなんとかしろよ!廊下はテメエの荷物置き場じゃねーんだよ」



「一体何の権利があって僕にこんな迷惑をかけてるんですか!?許せない…!」



「おやおや、カナトくんったらもう忘れちゃったの?ボクはね、もう逆巻家の新しい当主なんだよ?んふ。」



「…………っ」



「チッ……」



そう言われると二人は何も言い返せず、黙ってしまった。



「…ライト。当主が誰かということは関係ありません。この家に住む者としての責務を果たしなさいと言っているのです」



レイジさんがピシャリと言い放つ。



「貴方が当主だ、と言うのであれば尚更、この家を管理するのはあなたの責任です。家さえ管理できずに逆巻の当主を名乗るなどおこがましいにもほどがありますよ」



「ふうん…言ってくれるね。レイジ。」



「私は当然のことを言ったまでです」



「でも…当主交代の報せを聞いた世界中のヴァンパイアから、勝手にくるんだから仕方ないでしょ?別にボクが欲しいって言ったわけじゃないんだし、そんなの知ったこっちゃないよ。ね〜、お花ちゃん?」



「えっ…?う、うん…確かにそうなんだけど…」



「ひとつひとつ開けて、中に入っているものを分ければいいのです」



レイジさんの呆れ返った視線がライトくんに向けられる。



「食器ならキッチンへ、雑貨なら部屋へ。包装紙はまとめてしまえばあんなに散らかることもありません。どうせ暇にしているのでしょう?それくらいおやりなさい」



「ええーそれにしては量が多いよ〜」



.
/ 390ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp