第22章 唯一望んだもの(❤︎)
「荷物?」
「とぼけないでください…。貴方の部屋から溢れ、廊下にまで広がっている贈答品のことですよ!!」
「あー…あれのことかぁ…」
「日に日に増していく割りに、当主の貴方が整理しないからこんなことになるんです。まったく…そのせいで私たちがどれだけ迷惑を被っていることか…反省してるんですか?」
「反省も何も…これってそんなに悪いことなの?どうして反省しなくちゃいけないの?」
「なっ……!?」
「プレゼントだって、ボクが送ってくれって言ったわけじゃないしね」
「はあ…貴方という人は…」
眼鏡を押し上げ、呆れ返ったようにレイジさんは深い溜息を漏らす。
「いいですか、貴方は───」
言いかけたところで、また足音が二つ。
「……見つけた。」
「チッ……ライト!こんなところに居やがったか…手間かけさせやがって…!」
「また彼女と一緒なの…。捜したんですよ…?」
「す、スバルくん…!カナトくん…!」
「おや〜?ふたりともボクになにか用?」
「ふざけんな!散々人に捜させやがって…」
「ほんとです…。そろそろいい加減にしないと許さないよ、ライト…」
なにやら二人もライトくんに対してご立腹の様子だった。
「ええ?なんのことかな〜?さっぱり意味がわからないんだけど…」
「すっとぼけてんじゃねえよ!廊下に山になってる荷物のことに決まってんだろ!祝いの品だかなんだか知らねえが…全部お前宛ての贈りモンだろうが!」
「しかも…日を追うごとに増えていますよ。そうだよね…テディ?このままじゃ、僕の部屋の前まであのプレゼントの山で埋まってしまうじゃないですか…」
「テメエが片付けないせいで、すでにオレの部屋のドアは開かねえんだよ!出入りするごとにいちいち荷物どかさなきゃならねえこっちの身にもなりやがれ」
「なぁんだ、またその話?びっくりさせないでくれる?」
「また……?」
「そ。ちょうど今、レイジにその話されてたんだよね〜」
「…スバルにカナト、貴方達もですか」
「そうですよ…プレゼントの山がもうすぐ僕の部屋のドアを塞ぎそうなんですから…!」
「オレにいたってはもう完全に塞がれてるからな」
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