第21章 不確かな繋がり
それでも…幸せなら、狂った愛でも構わない。絵本の女の子と男の子のような愛のカタチは望めなかったけど、これも一つの愛のカタチだ。
「(彼はきっと本気で私のことが好き。私も…ライトくんが好き。でも…あなたにまだ、愛してるの言葉は伝えられそうにない。)」
ライトくんのことを信じてないわけじゃない
彼の愛を否定するつもりもない
「(…呪いのことを話すのには勇気がいる。もしライトくんが呪いを解いてくれる手伝いをしてくれなかったら…それで私から離れていってしまったら…そう思うと怖くて打ち明けられない。)」
見知らぬ【誰か】に理不尽に掛けられた呪い
それは少しずつ心臓を蝕み続け
死に至らしめる、最悪な呪い。
唯一呪いを解く方法はひとつだけ。
それは運命の相手と出会い
永遠の愛を手に入れること。
そうすればこの忌まわしい呪いから解放され
私はその運命の相手と幸せになれる。
「(ライトくんが運命の相手だと信じたい。でも運命の相手だとしても、必ずしも呪いを解いてくれるとは限らない。そうなったら…呪われたまま、好きな人の手で殺されるのも幸せだ。)」
いつかライトくんに全てを話せる時がきたら
一緒に呪いを解いてくれるといいな──……
「はぁ…最高の夜だね。これから色々と面倒ごとが待ってるのはユウウツだけど」
「面倒ごと?」
「一族をあげてのパーティーや晩餐会。パーッとお祝いするんだよ」
「前当主が…亡くなったのに?」
「んふ。永遠の生を生きるボクらにとって、死は祝祭の始まりさ」
「(やっぱり、ヴァンパイアの感覚にはついていけないな。)」
「──メグルちゃん…愛してるよ。」
ちゅっと唇を重ねる。
「いつかキミの口からボクを愛してるって言わせてあげるから…覚悟しておいてね」
「!」
微笑み、もう一度キスをされる。とても優しくて、甘いキス。それだけですごく幸せ。あとは…少しの勇気だけ。
「(大丈夫。私は彼の愛に応えられる日が、きっと来る──……)」
next…