第21章 不確かな繋がり
「さあ、抱きしめて。ボクを思い切り抱きしめてよ。そしてキスして」
「ライトくん…」
ライトくんは嬉しそうに私をギューッと抱きしめる。
「メグルちゃん…はぁ。なんて清々しい気分なんだろう。ずっとずっと、キミが欲しかったんだ」
「!」
「初めて会った時からずっと、キミがボクを好きになって、愛してくれたらって…。そればかりいつも考えてた」
「………………」
「やっと、ボクのだ」
「っ……………」
嬉しそうな声で抱きしめる腕にギュゥッと力が込められる。
「魔族と天使の恋は禁忌とされてる。誰もボクらを祝福しない。それでもボクはキミさえいれば何もいらない。だからお花ちゃん…もういい加減、ボクの愛を受け入れてよ」
「………………」
「好きだよ、キミが好き。ボクを愛して。キミの愛を、ボクにちょうだい。無くさないようにちゃんと大事にするから」
そう真剣に言われ、私はライトくんの背中に両手を回した。
「…ちゃんと大事にして。無くしたりしたらライトくんのこと嫌いになっちゃうから」
「お花ちゃんは自分が思ってる以上にボクのことが大好きだから嫌いになれないと思うな」
「っ……………」
「ほんと可愛いんだから〜❤︎」
図星を突かれて何も言い返せない私に、ライトくんはクスッと笑ってまた抱きしめる。
「血が…」
「んふ。あとで綺麗に舐めてあげるから、気にしないで。さあ、キスしよう。もっと深く、もっと強く、ね」
身体を少し離すと、ライトくんは目尻にキスを落とす。
「ライトくん…怪我はない?」
「んふ。大丈夫だよ。思った以上に、花嫁を手に入れたボクの力が強大になってたらしくてねえ…ヴァンパイアの力が、パートナーの力に比例するっていうのをさ、実感しちゃったよ。カールハインツがそうだったように…」
きっと彼の中に僅かだが私の天使の血も流れているのだろう。まあ、ほとんどはヴァンパイアの力なんだろうけど。
「お花ちゃんの血は、よほど特別なんだねえ。天使の力ってこんなに強いものなの?それともお花ちゃんの持つ力が強いだけ?」
「他の天使より確かに特別な血を引いてるけど…そこまで強大じゃないと思う」
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