第21章 不確かな繋がり
「──もうすぐボクらの仲間になるかもしれないキミ…お望みは、なにかな?」
「望み…私の?」
「そうだよ、望み。なんでもいいよ」
「──じゃあ、私を、ずっと愛して」
「んふ。それでいいの?」
「うん……」
「かわいいね、お花ちゃん。いいよ、例えキミからの愛してるが聞けなくても、キミを愛してる。これからもずっと、ね?」
優しいキスが降る。夜空を彩る世界は、天界でも見たことがないくらい、美しく輝いていた───。
◇◆◇
【教会】
「(ライトくんがここで待っててって言ったから待ってるけど…なんでここなんだろう?)」
私は両手を組んで祈りのポーズをする。
「私は…魔族に恋をしました。逆巻ライトというヴァンパイアを愛してしまいました。…神様、私は天使である自分を犠牲にしてでも、彼の愛が欲しいのです。もう二度と天界に帰れないけど…これが私の選んだ選択です」
本当は…ライトくんの全てを信じたい
彼に…愛されてみたい
ごめんね…母様…
キィィィ…
「ライトくん?」
教会の扉が開き、後ろを振り返る。
「………………」
そこには血まみれの彼がいた。
「っ…どうしたの、その血。」
全身に血のシャワーでも浴びたかのように真っ赤に染まっている。
「──ついに、殺った」
「え……?」
「カールハインツ。ボクたち一族を束ねる帝王」
「(カールハインツ…どこかで聞いたような…思い出せない…)」
「今まで、誰もアイツを殺れなかった──でも、花嫁を手に入れたボクが、ついに…」
「花嫁?」
「キミのことに決まってるだろ。お花ちゃん…いや、メグルちゃん」
「私は花嫁なんかじゃないよ。花嫁なのはユイちゃんでしょ?」
「キミも花嫁候補だったんだよ」
「どういうこと?」
「花嫁が二人いるってことさ。ちょっと特殊だろ?」
「特殊というか意味がわからない…」
「ちなみにビッチちゃんを手に入れたのはアヤトくんだったよ。でもボクのほうが先にアイツを殺して、キミを手に入れたから、ボクがこの家の当主になったんだ」
「そ、そう…なの?」
イマイチ訳の分からない仕組みに頭を悩ませる。
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