第19章 三つ子の母

「んふ。月の光を浴びたせいで、なんか盛り上がって来ちゃったな」



「な、に……？」



「お花ちゃんも、そういうキブンなんでしょ？」



「ライトくんと一緒にしないで」



「隠さなくたっていいじゃない。ボクはキミのことなら、なんでも分かってるよ」



雰囲気に呑まれそうになり、ぎゅっと掌を握りしめる。



「──ねえ、ここでひとりでして見せて」



「え？」



「聞いてるよ？疼く時はひとりでしてるってさ…ボクに見せて」



「そ、そんなことしてない！嘘言わないで！」



「いいんだよ、別に。ボクに焦らされて疼いちゃったんでしょ？」



「ち、違……ッ」



「別に恥ずかしいことじゃないよ。今更でしょ。ボクとキミはもう、フツウの関係じゃないんだ」



「やめて……」



「んふ。じゃあ、他のヤツラが遊んでる遊戯室にでもいく？」



「っ！？」



「ボクだけで見るのは勿体ないでしょ。だったらさ、アイツらにも見せてやっていいんじゃない」



「そんなのイヤに決まってるでしょ…！」



「ボクに見られるのは、いいの？」



「ライトくんもイヤ…だけど…」



「顔、紅いよ？もしかして、アイツらにえっちなことされるかもしれないって想像して、下が疼いちゃった？」



「なっ……！」



「んふ。ほんと、可愛いね。えっちなお花ちゃんはもっと好きだよ。じゃあ、ボクの気が変わらない内に始めようよ」



「(始める…？)」



「ボクはこうして、キミを背後から抱きしめていてあげるからさ」



「──そんなの無理！」



ライトくんが私を後ろから抱きしめるが、私は全力で首を振る。



「ふーん。キミはこういうスタイルが好みなんだ。服は…付けたままなの？」



「…人の話を聞いて」



「つまらないな。ボクを愉しませようって気はないわけ？」



「…こんなことが愉しませることだとは思わないんだけど…」



「そうかなあ？ボクは愉しいよ。本当はひとりですることを人に見られるのって、さ？キミが好きな場所、教えて欲しいのに残念だな」



「っ…耳元で、喋らないで…」



「何？耳元で囁かれると、余計に感じちゃう？」



「っ…………」



.