第17章 ハジメテの痛み

「その人が、どうして？」



「知らないよ。ボクは興味ないし。それに、アイツの名前を口にするのもイヤなんだ。でも、お花ちゃんがどうしてもって言うなら、ボクがお願いして聞いてあげてもいいよ？」



「！」



「───ただし。」



「ただし？」



「これから先、ボクがどんなヘンタイ行為を要求しても、キミは拒否できない」



「っ………!?」



「ボクにとってアイツと話すということは、それくらいの見返りをもらってもまだ足りない位のこと。まあ、もっとも、アイツが素直にキミに教えるかは分からないけど」



「イヤだよ…そんなこと…」



「んふ。ハッキリと言うね。でも賢い女は、嫌いじゃないよ。今ボクがイメージしてるヘンタイ行為がどれほどのものなのか、お花ちゃんには想像もつかないだろうしねえ」



「(これ以上何かされるのは無理…！)」



「まあ、どっちにしても、お花ちゃんはその内ボクの要求を嫌がらずに受け入れることになるのさ。今だってね、こうして…」



「！」



「授業中に…服を弄られても」



「っ………！」



「──文句も言えないし？こっちはどうなってるのかな〜？」



「触らないでって言ってるでしょ！」



「あんまり大声出すと、周りに気づかれちゃうよ。ボクはそれでも構わないけど」



「！」



「んふ。身体が熱くなってきたよ？確かあの時も、身体が熱くて…嫌がって泣いてた割に…ボクのを奥で締め付けてたよね？」



「っ!?変なこと言わないで…!!」



「恥ずかしがらなくていいのに。その顔、みんなに見せたくなるじゃない」



「触らないでって言ってる…のに…！」



「でも振り払わないんだね」



「そ、れは……」



「大好きだよ、お花ちゃん…」



触れた手を振り払えない。どうして？前みたいに突き放せばいいだけなのに。それが出来ないのは…私がライトくんに堕ちていってるからなの？



決して本気じゃない、私を堕落させるための甘い言葉。そうやって囁くことで、私が完全にライトくんにハマるのを待っている。



彼らの父親、逆巻透吾。あの人に聞けば、私が逆巻家に来たことは偶然なのか、そうじゃないのかが分かるはずだ。



もしかしたら…私に呪いを掛けた人物のことについても。



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