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終わらない愛があるとしたら【ドS吸血鬼】

第17章 ハジメテの痛み



【湖畔の森】


「ライトくん!!どこにいるの!?」



外で遊ぼうと誘われ、先に湖畔の森に向かったライトくんを急いで追いかけるも、本人はどこかへ消えてしまっている。



「ライトくんってば…!!」



「──お花ちゃーん!」



「!」



湖の方でライトくんの声がし、慌ててそっちに向かう。そしてライトくんの姿を見つけたのだが…。



「そんなところで…何してるの?」



ライトくんは何故か湖に浸かっていた。



「見れば分かるでしょ。水浴びしてるんだよ」



「…風邪ひいちゃうよ!?」



「あっは。ヴァンパイアが風邪ひくわけないでしょ?それより、お花ちゃんも入ってきなよ」



「え!?嫌だよ。服が濡れちゃうじゃない。それに風邪でもひいたら…」



「もし風邪ひいても、ボクが付きっきりで看病してあげるから大丈夫だよ。それに服が濡れても脱いじゃえば問題ないでしょ?」



「問題ありまくりだよ!」



それにライトくんに看病されるなんて



余計に熱が上がりそうで怖い…!



「ボクしかお花ちゃんの裸、見ないのに?」



「だからそういう問題じゃないの!とにかく!こんな夜に水に入ったりしたら本当に風邪をひいちゃう」



「んー。強情だなあ」



「え…!?うわっ!!」



手を強く引っ張られ、ドボンッと湖に落とされる。



「つべこべ言わずに、ボクの言う通りにしてればいいのに」



「ケホッ…ヒドイ!引っ張るなんて…っ!!」



「だって、こうでもしないと入ってくれなかったでしょ?」



「っ……!?私……泳げない……!!」



「んー?そうなの?」



深い水に浸かるのは初めてで、足が底に付かず、身体が沈み始めた。



「お、溺れちゃう…!!」



服が水分を吸収し、重さが増す。手足をばたつかせて、沈まないように藻掻くも、どんどん身体が水の中に落ちていく。



「ひっ!?ど、どうし…」



「助けて欲しい?」



「!」



「"助けてライトくん"ってお願いすれば、助けてあげる。簡単でしょ?」



その言葉に私は一瞬、戸惑ってしまう。



「(本当にライトくんが助けてくれるのか怪しい。でも…もう───!!)」



溺れ死ぬかも知れない恐怖から私は観念してライトくんに助けを求める。



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