第15章 生きる意味
「うん。悪夢であり…最高の夢」
「…?意味が分からないよ」
「分からないかな。愛しくて愛しくて憎いって気持ち…」
「…………」
ライトくん…なんだかヘン
いつもと少し違うような…
「だんまりだったら分からないよ。お花ちゃん。」
「私はライトくんの会話についていけるほど大人じゃないから」
「んふ。上手いこと逃げるじゃないか」
「…じゃあ、私はこれで。」
くるりとライトくんに背を向けた。
「──帰すと思ってるの?」
「っ……!?」
急に腕を引っ張られて、ベッドに組み敷きられる。
「そんないじらしいこと言って、ボクに抱かれに来たんだろ?」
「ちがっ…離して!」
「いいよ。キミが満足するまで、メチャクチャにしてあげるよ」
「やめて……!」
ライトくんが無理やり私の服を破く。
「何回も言ってるだろ?別に隠す必要はないってさ。所詮欲望の権化であるボクたち相手なのに、キミはなぜそんなに遠慮するんだよ」
「ねぇ…やめてよ!」
恐怖に震え、涙が浮かぶ。
「言葉や態度でボクを突き放しても、キミの中に芽生えた欲望は消せない。抑え込む必要なんてないんだ。それなのにキミは"それ"を頑なに拒絶する。どんなに押し殺したところで無駄な足掻きなのにさ」
「そんなの、分かってる」
「分かってるなら、何を恐れる?ボクには分からないね。そんなにビクビクして。自分を押し殺して生きることに意味なんてあるの!?」
「意味なんて…ない」
「……っ……!?」
「意味なんてない!それは分かってる!──それでも…!!私は…──私は信じるの!」
「……………」
「だって、信じることで救われることもあるから。どんなに無駄な足掻きでも、どんなに理不尽な運命に巻き込まれても、私はそれに抗ってみせる」
「…弱いキミに抗うだけの力はあるの?」
「弱いからこそだよ。私みたいな弱い生き物はね、惨めったらしい姿を晒してでも、無様に縋って生きたいって思うの。だから…自分を押し殺してでも私は頑張って抗うよ」
「フッ…フ、アハハ…ハハハハ!ハハッ…!」
「っ!?」
「これは滑稽だな。いいよ、いいよお花ちゃん…」
「な、に…?」
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