第15章 生きる意味
「はい、どうも!よし、じゃあ掃除しよう!」
「っ!!」
太ももに…ホウキの柄が当たって!
「さ、床を掃こうか」
「ま、待って!スカートがめくれ…」
太ももに当たっていたホウキの柄がくいっと持ち上がり、スカートを捲ろうとする。
「きゃっ!」
私は慌ててスカートの裾を下に引っ張った。
「(み、見え…見えちゃう!!)」
「んふ。どうしたの?お花ちゃん?」
「っ……!!さ、い…てい!」
「んー掃除の手伝いをしてあげてるのに、そんな言い方。残念だなあ」
「絶対わざとやってるでしょ…!」
「お花ちゃん、今日のスカートの丈、短くない?一体、誰に見せるつもりだったのかな」
「な、何言って…」
「アヤトくん辺りにでも見せるつもりだったとか?ふたり、仲がいいもんね」
「別にアヤトくんと仲がいいわけじゃ…!」
「なんだかボクのほうが妬けてきちゃうよ」
「(ライトくんの言葉を真に受けない。)」
「お花ちゃんはボクとアヤトくんだったら、どっちのほうが好き?」
「えぇ?」
突然そんな質問をされ、困惑する。
「別にふたりとも好きじゃないけど」
「そこはライトくんのほうが好きって言ってくれなきゃ傷付くなぁ」
「(面倒くさい…)」
「こんなにお花ちゃんのことを好きだって身体中でアピールしてるのにさ」
「必要以上にベタベタ触って来ないでって言ってるの!」
「それは出来ないなあ。だってお花ちゃん、ボクに触られるの、ホントは嫌いじゃないんでしょ?」
「っ……自意識過剰!」
「ボクの可愛いお花ちゃんはホント照れ屋さんだね。図星だからってムキになっちゃってさ」
「ムキになってない!」
こっちが怒るも、ライトくんは笑っている。
「ねぇ、お花ちゃん。ボクのこと好きになっちゃいなよ。お花ちゃんがボクを嫌いでも、嫌いから好きに変わる瞬間ってあるでしょ?」
「だから…好きにならないってば!」
ドンッとライトくんを突き飛ばす。
「おっと…!!」
「もう…ライトくんしつこい!後は勝手に掃除してて!」
からかうライトくんに苛立ち、ホウキを押し付けたまま、その場から走り去る。
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