第15章 生きる意味
【図書室】
「(ようやく新しい携帯を手に入れた。本体は壊れちゃったけどICチップは無事で良かった。友達との写真も残ってたし。)」
スバルくんめ…
本気で弁償させようかと思ったよ
「(とりあえず友達に連絡して、新しい家が見つかるまで置いてもらえるようにお願いしよう。)」
彼らに見つかる前に友達に連絡を取ろうと、電話帳を開いて呼び出しボタンを押す。
「(──お願い、早く出て……!)」
プツッ
「あっ!!もしもし!?私だけど…」
《はぁ〜〜〜い、お花ちゃん?》
「え!?」
私はバッと後ろを振り返る。そこには携帯を片手にライトくんが本棚に寄り掛かりながら立っていた。
「イケナイ子だねえ。んふ。いつの間に携帯を手に入れたのかな?」
「な、何でライトくんが!?今確かに友達の番号に掛けたのに…」
「んふっ…ボクらの力を甘く見ちゃいけないよ、お花ちゃん」
「(ヴァンパイアって…そんな能力もあるの?)」
「ひどく驚いてるねえ。さては、その携帯のこと、ボクにはナイショにしておくつもりだったのか」
「っ…………」
「それは見過ごせないなぁ。誰に連絡を取ろうとしてたの?まさか、お花ちゃんのカレシのひとり?」
「彼氏なんていないよ…」
「ホントかなぁ〜。お花ちゃんがこのガッコウの男共にすごーくモテるの知ってるんだよ?お花ちゃんはボクのモノなのに勝手に好きになられても困るよねぇ」
「ライトくんのモノじゃないし。というか、何で友達の番号にライトくんが出るの?私、ちゃんとあの子に掛けたはずなのに…」
「あーキミと仲のいいあの子ねえ。」
「どうして知ってるの…?私、ライトくんに会わせたことないよね?」
「お花ちゃんのことなら、なーんでも知ってるよ。キミを初めて見かけた日から、ね?」
「何でもなんて嘘。私のことでライトくんが知らない事もあるはずだよ」
「んふ…じゃあ順番に当ててみせようか?好きな食べ物、好きな色、好きな本、好きな音楽…。間違えない自信、あるけど?」
「……………」
私は恐怖に染まった顔でライトくんを見る。
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