第14章 愛しの"アノ人"
「だめだよ。胸が苦しそうだから、こんな窮屈な制服なんて、脱がなくちゃ」
どこからか出したナイフで制服のボタンを切り裂いていく。
「ふう…これで少しは、窮屈じゃなくなったかな?確かお花ちゃんは、胸も弱かったよね?」
「あっ!いやっ!」
「少し触っただけだよ。あー下着も窮屈そうだね。下手に動くとこぼれ落ちそう」
「や、やめて…」
「この胸の先…思いきり吸い付いたら、お花ちゃんはどうなっちゃうんだろうね?」
「っ……!!」
「えっちで感じやすいキミなら…甘い快楽で簡単に壊れちゃいそうだ」
楽しそうに笑うライトくんに、ぞわりと恐怖で全身が震えた。
「こんなことして、何が嬉しいの?」
「ボクはお花ちゃんのためにやったげてるんだけどねえ?ほら……んっ……」
「ひゃっ!!」
「ほーら…また、汗が滲んできてる。後から後から…恥ずかしいね…」
涙を潤ませたまま、ライトくんを睨む。
「ふふふっ…怒ってるの?そんな目をしちゃって…いいよ。可愛いよ。たまらないねえ」
ライトくんは興奮したように言う。
「もっともっと、怒ってイイよ。抵抗してイイよ。罵倒したって構わない」
「ら、ライトくん…」
「けど、どんなに頑張っても…ボクには敵わないんだ。大嫌いで、苦手で、非道く憎い、人ならざるこのボクに…キミは屈服させられ、いいように弄ばれる」
「…………」
「誰にも見せたことのないような、恥ずかしいところを見られて、挙げ句ボクのモノになる。はぁ…たまらないよ…それを想像するだけで、ボクはイけちゃいそうだ」
「んっ…舐めないでってば!」
いやらしく舐めたライトくんに怒る。
「ねぇお花ちゃん…ボクとひとつになろう?それでキミはずっとボクの傍から離れられなくなって、ボクしか愛せなくなってしまえばいい」
「そんな風にはならないし、私がライトくんを好きになる日は絶対にこない…!」
「ふふふ、アハ、いいねぇ。そんな気丈で強気なキミ、悪くない、好きだよ…さあ、今日はどれだけ耐えられるか。試験をしてみようね。お花ちゃんがどの位、耐えてくれるか、楽しみだな」
「(具合悪いって言ってるのに…!!)」
休むどころか余計に具合が悪くなった気がした。
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