第12章 誤解とすれ違いの誕生日(❤︎)
「ほら、口開けろ」
「う、うん…」
ぱくっとケーキを口に咥える。
「よし、じゃあそのままオレに口移し…。ん……んん……」
「……んっ!?」
あろうことがケーキごと私の唇にキスをし、はむっと自分の口の中にケーキを運んだ。
「チュッ……。」
「……っ……もう!アヤトくん!」
「ははっ、メグル。オマエ、すげー顔真っ赤だな。そんなに良かったのか?ククッ…」
「うぅ……」
「でもま、美味かったぜ。……っと、メグル。ちょっと動くなよ」
「え……?」
「口のとこにクリーム付いてる。取ってやるからじっとしてろ」
「あ、アヤトく……」
「……動くなって言っただろ。」
「っ〜〜〜!」
「……ん……」
顔が触れ合う距離にアヤトくんが迫り、思わず動くとか細い声で囁かれ、その甘い声に私はぞくぞくっと体を震わせた。
「……甘。」
「ちょっと……!アヤトくん!!」
「んっ……チュッ……んん……チュ。」
「あ、耳……んんっ……」
「ククッ…相変わらず弱いな、耳。少し囁いただけで感じやがって。」
「アヤトくん!本当にやめ───うわっ!!」
「ったく……動くなって言ったのにオマエが急に動くから…オマエのこと思わず押し倒しちまったじゃねえか」
ベッドに押し倒され、アヤトくんを見上げる。
「じゃ、じゃあ退いてくれる…?」
「やだね。……なあ、このまま今度はオマエを食べるっていうのも悪くないと思うんだよな、オレは。……いいだろ?」
アヤトくんは首筋に牙を突き立てる。
「……んん……。……んっ……」
「あっ……んん……っ」
「……クク、ケーキも甘かったけど……オマエの血のほうが……ん……よっぽど甘いな……」
「っ…………」
「オレはケーキみたいな甘いのは正直あんまり得意じゃねえんだよ。食べ過ぎると気持ち悪くなるからな。でも…オマエの血の甘さは…好きだぜ?」
するりと手を繋がれる。ぎゅっと握るとアヤトくんもぎゅっと握り締めてくれた。
「……クセになる……んん……ちゅぅ……。どんだけ吸っても…飽きねえ…。……んっ……ちゅぅ。」
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