第12章 誤解とすれ違いの誕生日(❤︎)
「…ほら…もう一回オレの名前呼んでみろ…」
「…アヤト…くん…っ」
「ククッ…上出来…んっ…ふ…」
嬉しそうな顔でアヤトくんは血を啜る。
「ははっ…オマエの血、どんどん流れ出てくるな…もったいねえ…。全部…舐め取ってやる…ん…」
「あっ…んんっ…」
「もっとくれよ…」
「っ……!!」
うやむやになっちゃったけど、本を捨てちゃったのって、ヤキモチを妬いてくれたってことだよね…
「(そう思うと、なんだか急に…)」
私はアヤトくんの髪に手を伸ばす。
「…そうやって自分からオレを撫でるってことは、気持ちいいってことだな…ククッ。いいぜ、もっと吸ってやる。……んっ……」
「(だって…いつも以上にアヤトくんのことが愛おしくてたまらなくなって…)」
血を吸われるのも、アヤトくんの愛情からだと思うと、いつもより嬉しく感じる…
「アヤトくん…」
「ん?」
「キスして」
「…いいぜ。ほら、オレの首に手回せ。最高に気持ちよくしてやる」
「うん…」
上に覆い被さったアヤトくんの首に手を回し、引き寄せる。ゆっくりと顔が近付き、同じタイミングで目を瞑り、唇同士が重なり合った。
「…はっ……ん……チュッ。ん……はぁ……チュッ」
「あ…んっ…ふ、ぅ…んん…」
舌を絡め、キスに夢中になっていると、次第に目がとろんっとなるのが分かった。それを見たアヤトくんが、フッと小さく笑う。
「キス気持ちぃーな?」
「う……ん……」
「チュッ…くそっ、甘い声出しやがって…」
「アヤトくん…もっと…」
「…して欲しけりゃ可愛くおねだりしろよ。私をもっとアヤトくんので深く感じさせて下さいって。言えるよな?メグルはキスが大好きだもんな?」
もう何も考えられない。アヤトくんとのキスが気持ち良すぎて頭が回らない…。
「…私をもっと…アヤトくんので深く感じさせて。アヤトくん、大好き…」
「っ………。」
へにゃっとしまりのない顔で笑うと、アヤトくんの頬が少し赤くなった気がした。
「よく出来ました。ご褒美だ。もっと深くまでオレ様を感じろ」
そう言ってアヤトくんは深いキスを何度もしてくれた…。
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