第1章 、
何処に居るのかと辺りを見回してみると、ご丁寧に私の元まで自ら来てくれたようだ。「わざわざ殺されに来たの?いい度胸ね」そう問いかけるが、勿論、呪霊は言葉の意味を理解していない。
現れたのは、頭が3つある犬のような呪霊だ。私と同じくらいの高さがある。とりあえず今いる空間を支配するべく、術式を展開した。
先程のように動きを鈍くさせようとするが、大きな効果が無いようだ 。呪霊は一心不乱にこちらへと向かって来る。このままでは攻撃を受ける。正直、今の私には勝てない相手だろうと判断し、自傷強化に頼る事にした。
突進してくる呪霊に突き飛ばされる。受け身の姿勢を取り、大事は免れた。が起き上がると再び呪霊は突進してきた。こちらからも攻撃を仕掛けるが、相手の方が素早さも攻撃力も遥かに高い。
支配していた空間から少し離れてしまった。もう不要な空間は解除する。相手に効果が無いのであれば自分の強化だ、と対象を自分に絞って素早さを高める空間を展開した。
自傷強化も相俟って何とか戦えるレベルになって来たが、私の体力が持たなくなってきた。反転術式を使うには時間が無い。
( 正直、ここで死ぬならそれもそれで良いか )
続けて削られる体力。
あと少しだけ残っている、という所で自分に賭けた。
「花火」
爆発するような音がする。当たり一面が光って目が眩んだ。
そのままは意識を手放した。