第1章 、
「お前さ、ああいうのはちゃんと断らないと、一生付いてこられるぞ」悟にお説教を喰らった私は落ち込んでいた。
「も〜元気だせって、甘いもん好きだろ?食い行くか。」辿り着いたのは先程のナンパ男が言っていたパフェ専門店だった。
注文したパフェが届くと「早く食べよう!」と目を輝かせている。悟からは「今日イチ楽しそうじゃん」と言われた。
悟は苺がこれでもかと飾られたパフェ、私はキャラメルソースがたっぷりかかったプリンパフェ。私は直ぐに食べ終わって、悟のパフェも何口か貰った。とても満足気な顔をして、お店を後にした。
「トイレ行ってくる。ここで待っといて。」私は椅子に座って周りを見渡していた。
「お姉さん今ひとりですか?」
またか、とため息を付く私に「可愛くて声掛けちゃいました」と続ける男。「あの、そういうの大丈夫です。」と断るが、諦める様子は無い。
「急に話かけられたら警戒しますよね、ごめんなさい。でも、よかったら連絡先だけでも教えてくれませんか?」そう続ける男に「いや、大丈夫です。」と繰り返し断る。
「おい、またかよ」
どう見ても怒っている悟がやってきた。声を掛けてきた男の人は直ぐに去って行った。「ありがとう、」そう伝えても不機嫌なのは変わらない。悟は目を合わせてくれなかった。
「大体お前が、」と勢い良く怒鳴られたが「いや、何でもない。ごめん」もう帰ろう。と謝られた。そのまま私たちは駅へと向かった。
帰りの電車は気まずさでいっぱいだった。
元々閉鎖的な環境で育った、いつも可愛がられて育てられてきて、このような状況になったことはなかった。どうしていいか分からなくて、今にも泣き出しそうだった。
学校の最寄りの駅まで着いて、そこから歩いて寮に帰る間も言葉を交わさなかった。夕日の赤い光に照らされて、伸びる自分の影を見ながら歩いていた。