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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第18章 炎虎 【煉獄杏寿郎】1


「おい!てめぇ!さっさと1500万払えやァ!」
「・・・・・んな金ねぇってんだろ!」
「あぁ?!」

雑居ビルの一室。
床に座る鼻の折れた血塗れの男が一人、その両側に黒いスーツを着込んだ男が二人。スーツを着た男の内、短髪の方が血塗れの男の襟首を勢い良く掴み、拳を数回振り下ろす。鈍い音がして呻き声と同時に血と体液が飛び散る。

コンクリートの床は所々欠けており、20畳ほどの広さの部屋に灰色のデスクが一つ。パイプ椅子だけが四つ程開いて置いてある。
元は何かの事務所だったような作りだが、壁の一角にだけタイルが貼られ、レストランの厨房で使うような深めのシンクが一台置いてあった。所々赤いシミの様なものが付いている。
・・・人が一人、体を曲げたら入ることができそうな大きさ。


ガチャ・・・

ドアが開くと、紺地に細いグレーのピンストライプの見るからに高そうな生地のスーツにブルーのシャツ、エンジのネクタイの男が金の髪をふわふわと靡かせながら入って来た。ドアを開けたお付き男、高橋もその後に付き従って部屋に入り、鍵をかける。
金髪の男は部屋の様子を見るなり、大きく溜息をついた。

「君たち、乱暴はするなと言ってあっただろう?」

慌てて掴んでいる襟首を離し、黒スーツの男達は声の主に向かって直立する。
「は、杏寿郎さんすんません。」
「脅迫罪で訴えられたらどうするんだ?」
直立の部下たちに言いながら、パイプ椅子の一つを持ち、鼻の折れた男の前に持って行って座る。

「尤も・・・。高級クラブで遊んだ1500万ものツケを払わずに飛んだ君も悪いがな。」
「こっちも商売だからな。代金は払ってもらわなければ困るんだ。」

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