第16章 天馬行空 【宇髄天元】 2
宇髄さんは途中で多分宇髄君から電話がかかってきて電話口でちょっと口論した後、渋々帰って行った。
次はそのまま校長と教頭と主幹に事情聴取された。離職届を書いて、宇髄さんが損害賠償を求めて来た時の話などについて説明された。
それが終わると、今日で終わりだから美術室と準備室の私物の片づけ、運び出し。
持ち切れない荷物は宅配してもらう。
もう一度学校の偉い人たちに謝って、とりあえず帰路につく。
何度かは書類を書きに来ることになるだろう。一学期の授業がもう終わった後で良かった。
あっけなく一年ちょっとの美術の先生は終わり。結構教えるのは楽しかったんだけど、校風と人間関係はいまいちだったからまぁ未練はない。・・・悪いことをした私が言えることじゃないけど。
・・・でも、宇髄君から少し離れないといけないと思っていたから。丁度良かったかも。
スマホを見たら宇髄君から沢山の着信とメッセージが入っていた。
最後のメッセージは数分前で、少しだけ家を抜け出しているから会いたいという内容だったので慌てて電話を掛ける。
2人っきりでは会わない方が良いと思い、近くに住んでいる不死川君に来てもらい、三人でカフェで話をした。
ひたすら謝る宇髄君を何とかなだめ、私もいっぱい謝った。不死川君は黙って聞いて、「先生、宇髄の事は任せてくれ。」と言ってくれた。
もう会わない様にしようと話し、辛くなるからスマホの連絡先を消そうと申し出たが、宇髄君が「絶対ェ嫌!」と拒否したのでそれだけはそのままにすることにした。
宇髄君が最後に、私が宇髄さんから訴えられない様にとにかく勉強は頑張るからと言って別れた。
可愛い宇髄君。さようなら。