第2章 恋の始まり
「ディア、大丈夫?怪我は無いかい?」
ジェハの優しい声に目を開ける。
地面に転がる男二人。
『大丈夫。だけど、まずくない?役人のしちゃったら。』
「平気だよ。だいぶ酔ってたみたいだし。でも、早く行こう。」
そう言ってあたしの手を引くジェハ。
ドキンと胸が高鳴る。
「さて、もう平気かな?」
しばらく歩いて、先程の場所からだいぶ離れた。
小高い丘になっていて、闇に染まる海が一面に広がる。
「で?君はあんな所で何していたの?」
少し冷たい目であたしを見るジェハ。
怒ってる、?
『え、っと、』
「おめかしなんかしちゃって。誰かと会う予定だった?」
『ちがっ、これは、』
ジェハの為に!
そう言いたかった言葉は言えなかった。
「行かせないよ。僕以外の所になんか。」
グイッと腕を引き寄せられると、そのまま胸の中に抱き締められた。