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不確かな idea 〖 呪術廻戦 〗

第7章 Femme fatale 【五条悟】後日譚


「止めろよ、ハズい」

「笑いながら泣くなんて事、するからだよ」

「……」

真希が僕の肩に顔を埋めて、声を殺して泣いている。


あぁーこんな時、もっと背が高ければ胸を貸す事ができたのに……


僕は力を込めて抱き締めた。


「いてーよ」


真希が小さな声で言った。


「ごめ……」


手を緩めると


「嘘だよバーカ。力はまだまだ、だな」

「酷いなぁ~~」

僕はサッと手を繋ぎ直した。

「大丈夫だよ。腕力はまだ負けるけど、僕が二人まとめて大事にするから」

「二人なんて、ヌルイこと言ってんじゃねぇーよ。お前が油断すっと、リカが睨んでくんだから」

「え!?ほんと!?もっとキツく言っておかないとダメだね」

僕の言葉に真希が、歩いていた足を止めた。そして

「いいんだ。お前は真依のいる私を大切にしてくれる。
 だから私は、リカのいる憂太を大切にする。
 丁度いいだろ?」

今度は泣かずに笑っている。

「そうだね。僕にも大切な人がたくさん出来たね」

「想定外にな」

「想定外も規格外も、五条先生の専売特許だと思っていたけど、そうでもなかったね」

「あーーー、あのバカはちょっと、いや、かなり違うだろ」

「うーん。でも、いっかーーー。こんな風に僕たち、二人で歩いていけるんだから、ね」

僕はわざと、繋いだ手を大きく振った。

「私は未来なんて望んじゃいけないと思ってたんだ」

「うん」

「でも違うよな。私たちが、未来に繋げていかないといけないんだ」

「うん。幸せな未来をね、築いて行くんだ。皆で」

「だな」


晴れ渡る空の下、あの日の光すら届かなかったような日々を繰り返しちゃダメなんだ。


人の感情は危うい。今もあちこちで、呪いは生まれているだろう。


僕たち【呪術師】は、なくならない。


だからこそ、僕だけでも五条先生だけでもない。
皆の力が必要なんだ。


まぁ、でもやっぱり五条先生は規格外だけどね。




後日譚 end
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