第6章 Femme fatale 【五条悟】後編
あの日以来、ほぼ毎日のように会いに来る五条さんにイヤでも情が湧いてくる。
まぁ、相当変わり者みたいだし、強引なところもあるんだけど。
会いに来ては、美味しい物を食べに行ったり、どこか出張?にでも行ってたのか、お土産を持ってきてくれたり。
だけど、子供を産んでほしいとか、どーのこーの言ってわりに、それ以上の事を何も求めてこない。
そして時々、虎杖君や伊地知さんと一緒に会ったりもしていた。そんなある日
「ええっ!?女の子もいるの!?」
交流会?が終わったと言って、虎杖君が嬉しそうに同級生や先輩を紹介してくれた。
「女の子だけじゃないぞ」
その声を聞き、目を擦ってよく見た。
見間違い?ん?……
「ぱ、パンダっ!?」
「初めましてー 俺、パンダ。よろしく」
野太い声のパンダに挨拶された。
「あ!着ぐるみ?」
「いや、違う。背中にファスナーないだろ?」
「でも、臭くない……動物の臭いしないよ?」
「あー俺、ファブってるから。な、虎杖、伏黒」
「パンダ先輩はお日様の匂いがします」
「なぁー」
「え、ほんと!?いい?私も!?」
そう言って思わずパンダ君に抱きついた。
「あっ!!!」
後ろから虎杖君の叫び声が聞こえた。
「うわーー!ほんと いい匂いするーーーそれに、ふかふかーーー」
思わずパンダ君をギュッと抱きしめるとパンダ君が
「え、悟いいの?俺も抱きしめ返して?」
「ちょっとー!僕もまだ抱きしめたことないのに!やめてーーー」
あれ?そう言えば、あれから手すら握ってないな。
なんて思っていると後ろで皆が、嘘だろー?ほんとにつきあってんのー?なんて言って笑っているけど、虎杖君だけが
「それより静電気、大丈夫?」