第4章 Femme fatale 【五条悟】前編
「おーーーい、ちゃあーーーん!
な、に、してんのぉーーー?」
五条さんが手を大きく振りながら、声をかけてきた!!!
「五条さんっ!!!」
私の叫ぶ声と同時に「チッ!!!」と大きな声が聞こえた。
「で、何してんの?“こんなの”と」
へっ?えっ?さっき向こうで大きく手を振るくらい距離があったのに、何故か一瞬で私との距離が縮まってる!?ううん、それより
「“こんなの”じゃ、ないですよっっっ!さっきレジにいたじゃないですか!?同じ店のっ!!!」
「!!!」
私の言葉に大げさにびっくりする五条さん。
「ほんっとーに、そう見えてんの?」
「は?」
五条さんの手元をよく見ると、片手で同僚のおでこを押さえてる!?
「そんなことしちゃダメですっ!」
「凄いなーもしかしてそれが君の“術”なのかなぁ?」
「は?」
どういう意味ですか?と聞こうとした瞬間
「あー、もうコイツ邪魔だから、先に祓っちゃおう」
!?邪魔だから追い払う!?ってこと!?いや、なんでそこまで言われなきゃ、、、って……
びっくりして私の思考が途中で止まったのは、五条さんが、同僚のおでこから手を離し
ピンっ
と、同僚にデコピンを入れた!!!
その瞬間に
私の顔に濃い紫色の液体が、バシャッと飛んで来たからだ!!!
「あ、ごめん、ごめーん。こんなに飛び散ると思わなくて。もっと優しくすれば良かったね」
な、何が起きたの!?!?!?