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不確かな idea 〖 呪術廻戦 〗

第2章  bump into him


「あ、あの……遅くなって、す、すいません……」

七海さんが怒っているのかと思い、思わず謝ると

「……あ、あぁ。いえ。貴女は素早く行動されていましたよ」

クマ吉をじっと見たまま、返事をする七海さん。
横にいた五条さんは……目隠しを上に上げ、また片目だけを出してこちらを見ていた。

でも以前見た、キラキラ男前モードと言うよりは……凄く真剣な目付きで……

「へぇ。凄いね……それ、僕が触っても大丈夫かな?」

そう言って手のひらを上に向け こちらに差し出してくる五条さん。

「いいですよ?」

五条さんの手の上に クマ吉を置こうとした、その時


「いたっ!!!」


ビリッッッ!!!と大きな静電気が私の手に走った。


「おっと、大丈夫?」


クマ吉を手の上に乗せた五条さんが聞いてきた。

「はい……すいません。私、凄く静電気を溜めやすい体質みたいで。五条さんは、大丈夫でしたか?」

「僕?あんなの平気、平気ーーー」

ニコニコと話す五条さん。でも今の、かなり痛かったのに……

「それより……そうかぁ、ふーーーーん。いいね、このクマ。ね、七海」

手の上に乗せたクマ吉をじっくりと見て、五条さんが言った。

「そうですね。私にも少し見せて頂けませんか?」

七海さんが五条さんに手を差し出した。なのに

「お前はダメーーー。はいっ、ちゃん!返す」

「え?あ、いいんですか?七海さんは……」

「いいの、いいの!それより、このクマさん」

「はい?」

「他の人には、絶対に触らせちゃダメだよ」

五条さんが両目を出して屈みながら、私と視線を合わせクマ吉を差し出してきた……

「約束。また来るよ」

そう言って、五条さんが手を振って出て行くと
いつの間にか、両手一杯のパンを全て持たされていた七海さんが

小さく頭を下げ、店を出て行った。




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