第11章 真実
「若月~。ごはん行こう~。」
「ねぇ若月~。お茶~」
「若月~。落とし穴一緒に掘ろ~」
と、毎日毎日喜八郎は人目もはばからず若月~若月~と、かまいまくっている。
彼も最近は、『はいはい…』となんだかんだ彼に構ってしまっている。そのせいか、彼は最近学園長の暗殺を決行できずにうだうだしていた。
・・・というか
おとといの夜・・・
彼は久々に暗殺を決行しようと、夜中に部屋を出ようとした。
その時・・・
「あれ~?若月も厠?一緒に行こう」
『は…?えっ、ちょ…喜八郎!?』
と、たまたま寝巻で暗殺に行こうとしていたためよかったが彼はそのまま喜八郎に厠の中まで連れて行かれて逃げることができずに厠に付き合い、挙句の果てに・・・
「寒いから一緒に寝よ」
と、喜八郎はそのまま彼の布団に入ってきて一緒に寝てしまう始末だ。
彼は何度も『オレが女だって知ってんだろ!?』といっても、「知ってるけど、それが何?」と返されてしまいそのまま流れに流れて今に至っている状態であった。
***
『滝夜叉丸~。コレ何とかして…』
「私に言うな。ソレに関しては触れたくもない」
と、教室にいても席について本を読んでいる彼の背中にダラ~ンと寄りかかってあろうことか寝ている喜八郎に同じクラスの滝夜叉丸は経緯を知らないこともありもう呆れ返っていた