第11章 真実
「お前達一体何をしていたんだ!!」
6年が指令通り武具を強奪に成功し3人と合流したが、喜八郎の怪我の手当てが先だと合流地点の近くにあった無人の山小屋に身を潜めることになったが、そこで守一郎と彼は、食満留三郎にこっぴどく叱られていた。
「陽動だと言っただろうが!本当に戦いを挑んでどうする!!お前も…足を引っ張るなとあれほど!!」
「違うんです食満先輩!!若月は、私をかばってくれたんです。私が1人で突っ走ってしまったせいで敵に見つかってしまい…若月が助けてくれなければ、きっと私が…」
と守一郎が食満に反論したが、彼は何も答えなかった。
代わりに手当てをして今は眠っている喜八郎に目をやり再び目元に涙をためていた。
すると、見張りをしていた立花が戻ってきた。
「今は追ってはない。守一郎、見張りの交代を頼む。」
「…はい」
と、守一郎は小さく返事をして小屋の外へ出る。
その後・・・彼も立ち上がり小屋を出ようとした
「由利、どこへ行く」
『…すみません、少し1人になりたくて…』
「…あまり小屋から離れるなよ」
と、立花は何かを悟ったように彼に忠告した。
彼はそのまま小屋近くの木の上に上がっていった。
木に上がっていった音を聞いていた6年生2人は、互いの顔を見合わせて唸ずいた。
「…起きているのだろう。喜八郎」
と、寝ている喜八郎に立花が言うと喜八郎はゆっくりと目を開けた。喜八郎は包帯だらけの身体を起こして6年の2人を見る。
「…バレてましたか。」
「怪我は大丈夫か?」
「はい、まぁ…」
「まさかお前が、ここまで体を張るなんてな」
と、少しの雑談を躱した後・・・
立花と食満は真面目な顔になった。