第10章 実習
「よっと、悪いな若月。手伝って貰って」
『いいったら。あ、コレそっちだよな?』
「あぁ」
今日の彼は、4年の浜守一郎の頼みで守一郎が所属している用具委員の手伝いだった。ここでも、彼はそれなりの活躍を見せ丁寧な仕事を行っていた。そのため・・・
「由利、こっちの備品の確認も頼む。」
『はーい。』
用具委員長の食満留三郎も仕事に関しては何も言わない
ただ最初はものすごく嫌がられた上に会話もこういう簡単な指示くらいしかないが・・・
「由利先輩!コレお願いします」
『おっ、はーい預かります』
下級生たちとも良好で、食満は少し複雑な面持ちだった。
すると、用具倉庫にヘムヘムがやってきた。
「はにゃ?食満センパーイ!ヘムヘムが呼んでますよ~」
「えっ?俺?」
「学園長先生が呼んでいるみたいです。」
「そうか、守一郎!ちょっと行ってくるからあと頼むぞ」
「あ、はーい!!」
そう言って、食満はヘムヘムについて倉庫を出て行った。
彼は、その背中を見送って引き続き用具整理をつづけた。