第5章 隠蔽
「あ、ちょ…泣かないでったら…もぉ…」
『うぇ~ん!』
「あぁ~もぉ!!」
さすがの喜八郎も同い年の女の子の扱いには慣れていないせいか、あたふたし終いには彼自身もパニックになってしまったようで、慌てたように彼を抱きしめて頭を撫で始めた。
「もぉ何があったか知らないけど、女の子だってことは黙ってるからさぁ~…。もぉ~めんどくさいな~。」
『グス…お前さぁ、今後女の子相手にめんどくさいとか使うなよ。モテないぞ』
「・・・。」
彼の一言に、彼はムッとして抱きしめていた彼をポイっと放り投げた。放り投げられた彼はそのままバランスを崩して地面に倒れた。
『痛った!お前放り投げることないだろ!』
「心配して損した。僕の貴重な時間返してよね。」
『やっぱお前性格悪い!…ねぇ、オレの事…』
「…みんなに言っても僕に何のメリットもないでしょ。言わないから」
『…喜八郎。ごめん、ありがとう』
「君が素直なの気持ち悪い」
と、吐き捨てて落ちていた鋤を拾い上げて忍術学園に戻っていく。彼は最後まで性格が悪い喜八郎にキー!!と怒りながらも少し安心した。
そして、喜八郎の後を追って忍術学園に戻っていった。
そんな2人の一連の流れを、見ていた者がいたとは知らずに・・・