第5章 隠蔽
『あぁー!!もぉ!!なんであんな…あんな学園長を…』
昨日で通算暗殺失敗記録50回目を迎えた彼は、学園長の部屋が見える木の上から学園長を見る。
またお茶が苦ーい!!ってヘムヘムに文句を言ってるわがまま爺なのに・・・
『今まで男相手の暗殺は失敗したことないのに…通算50回って…屈辱~!!それもこれもあの忍たまの上級生達のせいだ!!最近じゃあいつら絶対あたしをいじめて楽しんでやがるしー!!ムカつくーー!!』
「おい、仮にも暗殺者が大声で喚くなみっともない。」
『ん…?』
乗っている木に八つ当たりをしながら独り言を言っていると、彼のさらに上から声が聞こえてきた。彼が睨むとそこには彼の暗殺を者すっごく厭らしいやり方で阻止し続けている立花仙蔵だった。
『出た、6年で一番性格悪い立花仙蔵…。アンタのやり方が一番ムカつくんだよ~…陰険で』
「暗殺阻止のやり方に陰険もくそもない。阻止さえできればそれでいいのだ。それに私はまだ本気ではないのだが?」
『キィー!!その言い方と顔がムカつく!!』
「言い方はともかく顔がムカつくは心外だ。それにお前、ここにいる間は私はお前の先輩だ。ちゃんと敬語を使え」
『今は違います~。暗殺者として学園長を見張っている最中ですから』
立花仙蔵にツンとした態度で接しているが、立花仙蔵はそれを無視して彼の横に座る。
『なんで座るんですか?』
「少し話がしたくてな。」
『は?』
「ここに来て、どうだ?」
『…どうって』
「この学園、楽しくないか?」
彼は分かっていた。これも奴らの作戦のなのだと
こうやって取り入って暗殺する気を起こさなくさせる楽車の術だということを・・・こんなに分かりやすく楽車の術を6年の立花仙蔵が使うなんて思わないけど、まぁ、暇つぶしに・・・と