第20章 最終章 未来
「あ、和歌菜せんぱーい!!」
「せんぱーい!!」
あの事件が終わってから後輩達は完全に女である彼・・・いや、彼女に抵抗がないように普通に接している。もちろん他の学年も彼女が元暗殺者であることは忘れてしまっているかのように振舞っていた。
『ずっと思ってたけど、この学園の人達ってお人よしにもほどがあるよね…』
「そうかな?みんないい人達だよ?」
彼女も普通に暗殺もなく、一族の呪縛もなく普通の学園生活を送っていた。今もタカ丸と共に庭を歩いている所だった。
今から夕食の時間になるために食堂に向かっていたのだ。
***
「あ!タカ丸さーん和歌菜~!!」
食堂に入ると、先に他の4年生が集まっていて夕食を取り始めていた。タカ丸と彼女もおばちゃんから膳をもらって4年生達の座っている席に着いた。
「ねぇ~和歌菜、最近針使わないね。」
「ブッ!?おまっ…そんなはっきりと…!」
『いいよ、三木ヱ門。アレは完全に暗殺用だから滅多には使わないよ。一応持ってるけど』
「だからって出すな!!」
と、懐に隠していた針を一本見せる。
三木ヱ門がそうやって突っ込むと案の定守一郎が大爆笑をし始め守一郎がの隣に座っていた滝夜叉丸は夕食のおかずを喜八郎に盗まれて怒っていて、タカ丸がそんな彼女たちを見てニコニコしている。
そんな光景を、同じく食堂で夕食を取っていた5年生がそんな光景を見ていた
「なんか、雰囲気よくなったな。4年生」
「多分若月がいろいろ吹っ切れたからだろう。いい顔して笑ってやがる」
「・・・。」
「ん?兵助、どうした?」
「…なんか、心配で」
「何が?」
「なんとなくだけど…」
と、久々知だけはその光景を見て何か違和感を感じているようだった。